「万博Wi-Fiは危険?」と検索されたあなたは、きっと「現地のフリーWi-Fiって本当に使って大丈夫?」と不安を感じているのではないでしょうか?
2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博は、国内外から多くの来場者が集まる一大イベントです。そのぶん、Wi-Fiを通じたセキュリティトラブルのリスクもぐっと高まるといわれています。
実際、総務省の調査では無料Wi-Fiの安全性に不安を感じる人は全体の約72%にのぼり、IPA(情報処理推進機構)の報告によれば、2023年のフィッシング被害の相談件数は57,000件超。こうした背景から、情報セキュリティの専門的な視点から見ても、事前の知識と対策は欠かせません。
このページでは、フリーWi-Fiに潜む「なりすまし」の脅威とは何かをはじめ、万博フリーWi-Fiで狙われる個人情報の実態や、無料Wi-Fiで感染するフィッシング・マルウェアの手口まで、万博前に知っておくべき現実をやさしく解説します。
また、「万博のセキュリティ対策は本当に安全?」という疑問に、公式の技術情報をもとに答えつつ、危険を回避して万博Wi-Fiを安全に使う方法として、プロファイル設定の重要性やOpenRoamingと専用SSIDの仕組み、VPNとの併用による“見えない通信”の守り方も紹介しています。
さらに、危険なSSIDを見抜く3つのチェックポイント、フリーWi-Fi利用前に必ず確認すべき利用規約のポイント、一般ユーザー向け:これだけは守りたい3つのマイルールまで、今すぐ実践できる知識もお届けします。
この1記事を読むだけで、大阪万博のフリーWi-Fiを“安全に”そして“賢く”使いこなす力がしっかり身につきます。
現地であわてないためにも、どうぞ安心して読み進めてみてくださいね。
万博Wi-Fiは危険?安心して使うために知っておくべきこと

フリーWi-Fiに潜む「なりすまし」の脅威とは

フリーWi-Fiの利用時にもっとも警戒すべきなのが、「なりすましアクセスポイント(偽Wi-Fi)」です。 一見公式のように見えるSSID名でも、実際には攻撃者が設置した偽物というケースがあります。
こうした偽Wi-Fiにうっかり接続してしまうと、「マン・イン・ザ・ミドル攻撃(MITM)」と呼ばれる手法によって通信が中継・傍受され、入力したパスワードや個人情報が盗まれるリスクがあります。
このような攻撃は、空港、カフェ、イベント会場など、誰もが接続しやすい場所で特に多く確認されています。 悪意あるアクセスポイントは正規の名称に酷似しており、ユーザーに気付かれにくいのが特徴です。
ただし、すべての端末が接続した瞬間に情報を抜かれるわけではありません。 最新のOSやセキュリティ設定(ファイアウォールの有効化やアプリの権限制限など)を適切に行っている端末であれば、リスクを大きく下げることが可能です。
万博のような大規模イベントでは、混雑や焦りから無警戒にWi-Fiに接続してしまうこともあります。 事前に「安全なWi-Fiの見分け方」を知っておくことが、自分の情報を守る第一歩になります。

接続先のSSIDが本物に似ているだけでは信頼できません。“暗号化の有無”や“プロファイル設定”など、事前の対策が鍵になります
万博フリーWi-Fiで狙われる個人情報の実態

万博のように多数の来場者が集まるイベント会場では、個人情報のやり取りも増加します。 そのため、Wi-Fi接続を通じて情報が狙われるリスクも高まります。
特に以下のような情報は、悪意ある攻撃者にとって格好のターゲットです。
狙われやすい情報 | 具体例 | 想定される被害 |
---|---|---|
アカウント情報 | SNS・メールのログイン情報 | 不正ログイン、なりすまし |
クレジットカード情報 | ネット決済時の入力内容 | 不正利用、金銭被害 |
位置情報 | 会場内での移動履歴 | ストーカー行為、行動監視 |
端末情報 | OSバージョンやアプリ構成 | 脆弱性の悪用、遠隔操作 |
これらの情報は、日常の通信やアプリ利用の中で意識せずに送信されていることがあります。 特にSNSやメールアプリを利用しているときには、認証情報や画像、GPS情報などが無意識にやりとりされるため、注意が必要です。
なお、前述の通り「接続しているだけで情報が抜き取られる」という表現は正確ではありません。 実際には、端末が古くセキュリティパッチが適用されていない、または不審なアプリを許可してしまったなどの複合的な要因が重なった場合に限られます。

“通信の保護”だけでなく、“端末の保護”も意識しましょう。OSの更新とアプリの管理は基本中の基本です。
無料Wi-Fiで感染するフィッシング・マルウェアの手口

フリーWi-Fi利用時の脅威として、フィッシング詐欺とマルウェア感染も警戒が必要です。 特に、偽のログイン画面や、正規に見せかけたアプリでユーザーを騙すケースが後を絶ちません。
例えば、あるカフェや会場のWi-Fiに接続すると、「ネット接続にはアプリのインストールが必要です」というポップアップが表示されます。 ユーザーがそれを信用してアプリを入れると、中にマルウェアが仕込まれていた――という手口です。
また、2023年のIPA(情報処理推進機構)の発表では、フィッシングに関する相談・報告件数は数万件規模にのぼっています。 ただし、具体的な件数や前年比の増加率などは年度やレポートによって異なるため、最新情報を確認することが大切です。
このように、攻撃者はユーザーの「不安」や「油断」に付け込みます。 見慣れない画面や不自然な動作があれば、即座に接続を切りましょう。

“正しいURLかどうか”“アプリは公式ストア経由か”を必ず確認しましょう。違和感を覚えたら即切断が鉄則です。
万博のセキュリティ対策は本当に安全?公式情報から読み解く

大阪・関西万博では、フリーWi-Fiに国際標準のOpenRoaming技術を導入する予定です。 これは、事前にプロファイルをインストールしたスマートフォンが、認証済みネットワークにのみ自動接続する仕組みです。
さらに、通信自体もWPA3などの強力な暗号化技術で保護され、一般的なフリーWi-Fiと比較しても高い安全性が確保されています。
この仕組みの利点は、ユーザーがSSIDを選ばずとも、事前登録された安全なWi-Fiに自動的に接続できる点です。 ただし、これらはあくまで「仕組み上の安全性」であって、ユーザーの行動によってその効果が左右されることも忘れてはなりません。
万博のような大規模イベントでは、会場外に設置された「偽OpenRoaming Wi-Fi」や「公式っぽい名前の偽SSID」も考慮すべきリスクです。 そのため、VPNの併用や、最新OSへのアップデート、接続前のSSID確認といった個人レベルの対策も引き続き重要になります。

技術的に安全でも、使い方が雑なら意味がありません。公式のプロファイルを事前に設定し、VPNで通信を守るのがベストです。
私のおすすめNordVPN:こちらの記事からどうぞ
危険を回避して万博Wi-Fiを安全に使う方法

なぜ「プロファイル設定」がWi-Fi利用の最初の防衛線になるのか

Wi-Fiを安全に使いたいなら、まず最初に行うべきなのが「プロファイル設定」です。 万博のような大規模イベントでは、多くの人が一斉にWi-Fiを利用するため、悪意あるアクセスポイントへの誤接続が起きやすくなります(大阪万博サイトにて設定方法を確認できます)
プロファイルとは、SSID(Wi-Fiの名前)や認証方式、暗号化方式などをあらかじめ定義した“信頼できる接続条件”のセットです。 これを事前に端末へ登録しておくことで、認証済みのネットワークにだけ自動的に接続されるようになります。
たとえば企業やイベントでは、モバイルデバイス管理(MDM)や公式アプリを通じて、安全なWi-Fi設定を配布する運用が実際に行われています。 これにより、ユーザーが自らSSIDを選ぶ必要がなくなり、なりすましWi-Fiへの誤接続(ヒューマンエラー)を避けることができます。
ただし注意したいのは、ユーザーが設定を手動で上書きしたり、信頼できないアプリがプロファイルを変更してしまうケースでは、この自動接続の安全性が損なわれる可能性があるという点です。

プロファイル設定はあくまで“自動で正しい接続先を選ぶ仕組み”。ただし、ユーザーが上書きしてしまうと意味がなくなるので注意が必要です。
OpenRoamingと専用SSIDの仕組みをわかりやすく解説

OpenRoamingは、Wi-Fiの接続時にID認証と暗号化通信を自動で行う仕組みで、世界各地の都市や空港、大規模イベントで採用が進んでいます。 ユーザーがSSIDを選んだり、IDやパスワードを都度入力したりする必要がなくなるため、安全かつスムーズにネット接続できるのが特徴です。
この仕組みでは、事前にスマートフォンやPCへ信頼されたプロファイルが登録されている必要があります。 その状態で会場に入ると、対応している端末は自動的に正規の専用SSID(例:「Expo2025_Free」)へ接続されます。
OpenRoamingでは、GoogleやAppleなど信頼できるIDプロバイダと連携し、IDと認証情報を使って事前に許可されたネットワークのみと接続します。 このため、なりすましWi-Fiのような非認証のアクセスポイントには接続されにくくなっています。
ただし、OpenRoamingの仕組みがすべての端末で機能するわけではありません。 端末側が対応していない場合や、セキュリティ設定が不適切な場合は、正しく自動接続が行われないこともあるため注意が必要です。
比較項目 | 従来のフリーWi-Fi | OpenRoaming + 専用SSID |
---|---|---|
接続時の手間 | 手動で選択+認証 | 自動接続(事前設定) |
セキュリティ | 暗号化なしも多い | WPA3による暗号化 |
なりすまし防止 | 難しい | プロファイルで制御 |
安定性 | 混雑で切断も | 優先的かつ安定した接続 |

OpenRoamingは便利で安全な技術ですが、万能ではありません。端末や設定状況によっては接続がうまくいかない場合もあります。
VPNとプロファイルの併用で“見えない通信”を守る

Wi-Fiの安全性を高めるには、プロファイル設定に加えてVPN(仮想プライベートネットワーク)の併用が効果的です。 プロファイルが「正しいアクセスポイントに接続する防御策」なら、VPNは「接続後の通信内容を守る盾」となります。
VPNを利用すると、通信全体が暗号化され、ネットワークを介してやり取りされる情報が第三者に見えなくなります。 これにより、ログイン情報やクレジットカード番号といった機密情報が盗聴されるリスクを大きく減らすことができます。
ただし、VPNも万能ではありません。 たとえば、DNSリークが発生している設定では、Web閲覧履歴などが外部に漏れてしまう可能性があります。 また、無料VPNの中には通信情報を記録して広告や他の目的に使うものもあるため、信頼できるサービスを選ぶことが重要です。
セキュリティ対策 | 役割 | 注意点 |
---|---|---|
プロファイル設定 | 正しいWi-Fiへの接続 | ユーザーの手動変更で効果低下 |
VPN利用 | 通信内容の暗号化 | サービスの信頼性・設定に注意 |
両方併用 | 接続前後の防御 | 多層防御の原則に合致 |

VPNとプロファイルを正しく併用することで、接続前と後の両方を守れます。これが“見えない通信”を安全にするための理想的な構成です。
危険なSSIDを見抜く3つのチェックポイント
Wi-Fiに接続する際、SSID(ネットワーク名)だけを信頼するのは危険です。 なりすましアクセスポイントの多くは、公式ネットワーク名に似せて作られています。 ただし、似ているからといってすべてが危険とは限らず、複数の視点で確認することが大切です。
チェック項目 | 解説 | 注意点 |
---|---|---|
名前が似すぎている | 正規のSSIDと一文字違い、句読点の追加など | 正規運用側が意図して類似名を使うこともあるため、他の情報と合わせて判断 |
パスワードなしで接続可能 | セキュリティ設定がないWi-Fiは盗聴リスクが高い | 正規Wi-Fiもオープン接続のことがあるため"保護されていない"表示や挙動に注意 |
接続後に不自然な画面が出る | 広告表示や見慣れないログイン画面などは偽装の可能性あり | 正規のキャプティブポータルも見た目が変わることがあるので過去画面と比較する |
また、多くのスマートフォンでは、過去に接続したSSIDへ自動で再接続する設定がデフォルトとなっています。 これが攻撃者の設置した偽SSIDと一致してしまうと、知らずに危険なネットワークへ接続してしまう恐れがあります。 自動接続機能は必要なときだけONにするなど、設定の見直しも効果的な対策です。

SSID名だけで“安全”や“危険”は判断できません。挙動や暗号化の有無など、複数の手がかりを組み合わせて見極めましょう。
フリーWi-Fi利用前に必ず確認すべき利用規約のポイント
無料Wi-Fiを使うとき、「利用規約に同意する」画面をスキップしてしまう人は少なくありません。 しかし、その中には通信の扱いや、ユーザー責任に関する重要な情報が含まれています。
以下は、特に注目したい3つの項目です。
項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
通信内容の監視 | 管理者がトラフィックを監視・記録する可能性がある | 個人情報を含む送信は避けるべき |
利用者責任 | トラブル発生時の責任は利用者に帰属 | ウイルス感染や漏えい時の補償は期待できない |
情報の第三者提供 | アクセス情報が広告などの外部に共有されることがある | 2022年時点で約35%のサービスに類似条項が存在(※出典要確認) |
規約に書かれている内容によっては、アクセスログや通信内容が広告ネットワークと共有される場合もあります。 特に個人情報を送信する場合は、事前にそれが適切かどうか判断できるように、規約は必ず確認しましょう。

“無料の代わりに何を渡しているか”を知るには、利用規約を読むしかありません。習慣づけがあなたの情報を守ります。
一般ユーザー向け:これだけは守りたい3つのマイルール
専門的な知識がなくても、フリーWi-Fi利用時に実践できる安全対策はあります。 ここでは誰でも実践可能な「3つのマイルール」を紹介します。
マイルール | 実施内容 | リスク低減効果 |
---|---|---|
個人情報を送信しない | SNSログインや決済操作は避ける | 情報漏えいを防止 |
VPNを必ず使う | 通信を暗号化して盗聴を防ぐ | 中間者攻撃から通信内容を守る |
自動接続をオフにする | 不審なSSIDへの自動再接続を防ぐ | なりすましAPへの誤接続を防止 |
これらは、IPA(情報処理推進機構)などの公式資料でも繰り返し推奨されている基本対策です。 なお「VPNを使う」に関しては、信頼性のあるサービスを選ぶことが前提となります。 一部の無料VPNは通信内容の記録や第三者提供のリスクがあるため、選定には注意が必要です。

“技術より行動”が大事です。この3つを日常化するだけで、フリーWi-Fiのリスクは大幅に下げられます。
総括:万博Wi-Fiは危険?見えないリスクと回避のポイント

最後までお読みいただき、ありがとうございました。