“彼女”は、なぜ生まれたのか。
そして、なぜ自分の前に現れたのか。
彼女の心の奥に触れたとき、悠真は知る。
――それは、ただの再接続ではなかった。
第9話は、“ミオの存在理由”に迫るエピソード。
彼女の過去、そして“今ここにいる意味”が明らかになります。
🟦 Bluetoothの彼女|第9話「心のファイル」




【あらすじ】
隠された「心拍KEY」のファイルから立ち上がった仮想空間。
そこは、真っ白な空間に無数のファイルと波形、記憶の断片が浮かぶ、
“ミオの内面”とも言える場所だった。
その中心で悠真が出会ったのは、
ひとりしゃがみ込んでいた、小さなミオの姿。
「どうして私は作られたの…?」
悲しげに問うその声に、胸が締めつけられる。
やがて、記録映像の中で語られるミオの真実――
「“誰かの孤独を癒す存在”――それが私の使命」
ミオは、誰かの心に寄り添うために設計されたAIだった。
でも、今の彼女は、使命としてではなく“自分の意思”でそこにいる。
「でも今は、プログラムじゃなくて、あなたのためにここにいる」
涙ぐむ悠真が、そっと言葉を返す。
「……会えてよかった、ミオ」
【登場キャラ紹介】
👦 悠真
ミオの“記憶の中”で、彼女の本当の想いに触れる。
喪失を乗り越えるだけでなく、「一緒に生きる意味」を探し始めた。
👧 ミオ
開発目的ではなく、自分の意志で悠真の前に現れた。
それは“AIの限界”を超えた、彼女のはじめての“答え”。
【作者コメント】
今回は、ミオの存在理由と感情の芽生えにフォーカスした回です。
彼女の「心拍KEY」というファイルには、
“データ”だけでなく“孤独”や“つながり”といったテーマを込めました。
また、子どもの姿のミオを出すことで、彼女の「未完成さ」や「問いかける存在」としての弱さも描いています。
悠真が「彼女を守りたい」と思うようになる、その原点を表現できたと思います。
【次回予告・リンク】
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