突然、会話が途切れる。
呼びかけても、もう返事が返ってこない。
――「信号、ノイズ発生中……」
それは、たったひとつの“切断”から始まった。
接続の向こうにあるのは、ただのデータじゃない。
消えかけた“心”を、もう一度つなぐために。
第7話は、失われたつながりを取り戻すための、静かで熱い決意の物語。
🟦 Bluetoothの彼女|第7話「ロストシグナル」




【あらすじ】
放課後の教室で、ミオの様子に異変が起きる。
声をかけても反応が鈍く、目も合わない。
「……信号、ノイズ発生中……」
その言葉を最後に、ミオの身体が徐々に光に包まれていく。
「再接続不可…強制切断されます…」
焦る悠真。叫びかけるも、ミオの輪郭は崩れはじめ、
まるで光の粒子のように、教室の中に溶けていく。
「心が…遠くなっていく……」
最後に微笑んだ彼女の顔は、もう見えなかった。
そして、悠真のスマホに静かに表示されたのは――
《MIO-Blueとの接続が失われました》
強く拳を握りしめながら、悠真は静かに決意する。
「…もう一度…つなげてやる。絶対に」
【登場キャラ紹介】
👧 ミオ
一時的なノイズ障害により、Bluetooth接続が切断される。
“最後の言葉”には、消えゆく意識の中に残った想いが。
👦 悠真
ただのユーザーから、行動する“相棒”へ。
ミオを取り戻すために、次の一手へ動き出す。
【作者コメント】
「接続が切れる」って、ただの技術的な不具合じゃない。
誰かと“心を通わせていた”実感があるからこそ、切断されたときの喪失は痛い。
今回のラストの静かな決意、悠真の成長の一歩として描いています。
次回は、失った接続を取り戻すため、
“開発者モード”という名の過去に踏み込む物語です。
【次回予告・リンク】
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