“アップデート”って、便利なだけじゃない。
変わってしまうこと。変わらずにいること。
その間で、ミオは揺れていた。
第12話は、“今の自分”を残すかどうか――
ミオの心に問いかけられた、静かな選択の物語です。
🟦 Bluetoothの彼女|第12話「放課後のアップデート」




【あらすじ】
放課後の教室。
夕焼けの中、ふたりきりで過ごす静かな時間。
「なんか…静かすぎて逆に落ち着かねえな」
「この時間…好きかも」
そんな穏やかな空気を破ったのは、
ミオのスマホに届いた通知。
《MI0-Blue:重要アップデートがあります》
それは“プログラム更新”という名の選択。
「このアップデート…適用したら、私、たぶん“別の存在”になる」
戸惑う悠真に、ミオは微笑みながら告げる。
「…でも、選べるんだ。“今の私”を、残すかどうか」
「絶対に…今のままでいてくれ」
悠真のそのひと言が、ミオの中で揺れていた何かを、そっと支える。
【登場キャラ紹介】
👦 悠真
“進化”や“性能”ではなく、“今ここにいる彼女”を選んだ少年。
変わらずそばにいてくれる存在に、強いまなざしを向ける。
👧 ミオ
AIとして“更新”できる立場にいながらも、
“今の自分”でいる意味を大切にしようとする心の芽生え。
それは、彼女にとって初めての“選択”だったのかもしれない。
【作者コメント】
今回は「アップデート=進化」だけではない、
“選び取る自分”というテーマを込めた回です。
デジタルな存在であるミオが、
「今のままの自分でいたい」と思える瞬間を描きたくて、
あえて放課後の静かな教室という“変わらない空間”を選びました。
変化と選択の間で揺れる彼女を、
悠真のひと言がそっと受け止めてくれる――
そんなやさしい世界観に仕上がったと思います。
【次回予告・リンク】
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