「情報処理安全確保支援士 CBT どうなる」で検索する人は、たぶん3つのことを一度に知りたがっています。
いつからCBTになるのか。試験の中身は変わるのか。そして、この資格そのものは今後どうなるのか。
この3つは、答えが出る場所がまったく違います。1つ目は日程の話で、もう決着がついています。2つ目は「2026年度は変わらない」が答えです。3つ目だけが、まだ動いている最中です。
順番に分けて整理します。数字はすべて2026年8月11日時点でIPAが公表しているものを使いました。
まもる
しろ- 情報処理安全確保支援士試験のCBT移行がいつからで、何が確定しているか
- 2026年4月の試験がなくなり、前期・後期という形に変わった経緯と、その具体的な日程
- 科目Aと科目Bが別日になったことで、受験計画に何が起きるか
- 2026年度は出題の中身が変わらず、2027年度から変わるという二段構えの構造
- 2027年度の新試験制度で、科目Bが150分から120分に短くなる予定であること
- 記述式の午後試験を通った立場から見た、いま受けるか待つかの判断材料
結論:方式と日程は変わったが、2026年度の中身は変わらない
先に結論です。CBT化で変わったのは「受け方」と「受ける時期」で、「問われる中身」ではありません。
IPAは2025年8月12日のプレス発表で、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験を、2026年度からCBT方式に移行すると公表しました。そして2026年度については、出題形式・出題数・試験時間のいずれも変更しないと明記しています。
つまり、いま勉強している内容が無駄になることはありません。ただし、いつ受けられるかは大きく変わりました。
| 項目 | 2025年度まで | 2026年度(CBT) |
|---|---|---|
| 受験方式 | 紙のマークシートと答案用紙 | 会場のPCで解答 |
| 試験日 | 春期・秋期とも各1日 | 一定期間内の複数日から選ぶ |
| 実施時期 | 4月と10月 | 前期は10〜11月、後期は2〜3月 |
| 科目の呼び名 | 午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後 | 科目A-1/科目A-2/科目B |
| 試験時間 | 50分/40分/150分 | 変更なし(50分/40分/150分) |
| 出題形式 | 多肢選択式/多肢選択式/記述式 | 変更なし |
| 出題範囲 | — | 変更なし |
| 受験手数料 | 7,500円 | 7,500円(支援士試験は非課税) |
正直、ここまでなら「呼び方が変わっただけ」と受け取る人もいると思います。実際にきついのは、次の日程の話です。
変更点1:2026年4月の試験がなくなり、約1年の空白ができた
いちばん影響が大きかったのは、2026年4月の試験が実施されなかったことです。
従来の春期試験にあたる回は「前期試験」という名前になり、2026年10〜12月に移りました。秋期にあたる回は「後期試験」として2027年2〜3月です。年度の後ろ半分に、2回とも寄せられた形になります。
結果として、直前の紙試験だった2025年10月の回から、次の受験機会である2026年10月まで、約1年の間が空きました。この空白は、この記事を読んでいる多くの人にとって、いちばん実感がある部分だと思います。
情報処理安全確保支援士試験の日程は、IPAが次のとおり公表しています。
| 区分 | 申込受付期間 | 科目A-1・科目A-2 | 科目B | 合格発表 |
|---|---|---|---|---|
| 前期試験 | 2026年10月6日〜10月24日 | 2026年10月17日〜10月27日 | 2026年11月11日〜11月23日 | 2027年2月頃 |
| 後期試験 | 2027年1月27日〜2月27日 | 2027年2月20日〜3月2日 | 2027年3月16日〜3月28日 | 2027年6月頃 |
1年空いたぶん、準備期間の取り方も変わります。必要な勉強時間の目安は、別の記事にまとめています。

なお応用情報技術者試験は、支援士試験とは申込期間も実施期間も違います。併願を考えている人は、それぞれの日程を個別に見てください。
変更点2:科目Aと科目Bが、別の期間に分かれた
CBT化でいちばん受験計画に効くのが、ここです。
IPAは、科目A-1・科目A-2をまとめた「科目A群」と、科目Bを含む「科目B群」を、実施期間を分けて実施すると公表しています。前期試験なら、科目Aが10月17日から10月27日まで、科目Bが11月11日から11月23日まで。間が2週間以上あります。
これまでは1日で全科目が終わりました。朝に午前Ⅰを受けて、午後試験を終えて帰る。その日で完結していたわけです。それが、10月に一度受けて、11月にもう一度会場へ行く形になります。
申込みは分割ではありません。IPAは、申込みの際に科目A群と科目B群を同時に予約する予定だと書いています。つまり10月の時点で、11月の科目Bの日時と会場まで決めることになります。
| これまで | 2026年度から | |
|---|---|---|
| 会場に行く回数 | 1回 | 2回 |
| 科目Bの日時決定 | 試験日が最初から確定 | 申込時に自分で予約 |
| 科目A後の過ごし方 | そのまま午後試験へ | 2週間以上の間が空く |
| 会場と日時の選択 | 不可 | 空席のある会場・日から選択 |

りんこの形にも良い面はあります。科目Aの疲れを引きずったまま150分の科目Bに入る、という消耗戦にはなりません。科目Aが終わってから2週間、科目Bの演習に集中できるのは、社会人にはむしろ都合がいい人もいるはずです。
一方で、拘束される日が2日に増えます。平日の会場しか空いていなければ、休みを2回取ることになります。ここは素直にデメリットです。
なお科目A-1と科目A-2の間には、10分の休憩が設けられる予定とされています。あわせて、身体の不自由等によりCBT方式で受験できない人向けに、筆記による特別措置試験の実施も予定されています。
変更点3:科目の呼び名と、免除制度の名前が変わった
呼び名の変更は、慣れの問題です。ただ、免除制度に関わるので押さえておく価値があります。
対応関係はそのままです。午前Ⅰが科目A-1、午前Ⅱが科目A-2、午後が科目Bになりました。支援士試験の午後試験は2023年度秋期に150分へ一本化されていたため、科目B-1・科目B-2のような分割はありません。
免除制度も、名称が変わって継続する予定です。午前Ⅰ免除制度は科目A-1試験免除制度に、午前Ⅱ免除制度は科目A-2試験免除制度になります。IPAの案内では、免除の条件は従来どおり、応用情報技術者試験の合格、高度試験・支援士試験のいずれかの合格、または科目A-1(2025年度までは午前Ⅰ)で基準点以上を取ること、の3つです。
2026年度は中身が変わらない。変わるのは2027年度から

ここからが、「どうなる」の本題だと思っています。
CBT化は終着点ではありません。IPAは2026年3月31日に、情報処理技術者試験の試験区分体系などの見直し案を公表しました。経済産業省の「Society 5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会報告書」(2025年5月)を踏まえたもので、2027年度から新しい試験制度に移るという内容です。
応用情報技術者試験と高度試験は「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」として大括り化され、マネジメント領域・データAI領域・システム領域の3区分になります。あわせて「データマネジメント試験(仮称)」が新設されます。
まもる
しろでは支援士試験はどうなるのか。結論から言うと、統合されずに残ります。IPAの資料では、2027年度夏頃から秋頃に開始する試験として、新設の2試験と並んで情報処理安全確保支援士試験が挙げられています。名前は消えません。
ただし、中身には手が入る予定です。
| 科目 | 現行(2026年度) | 新試験制度(2027年度・案) |
|---|---|---|
| 科目A-1 | 50分/30問 | 45分/30問 |
| 科目A-2 | 40分/25問 | 35分/25問 |
| 科目B | 150分/4問出題・2問解答/記述式 | 120分/12問 |
IPAは変更内容として、科目Aの出題範囲体系の変更(知識・技能の範囲そのものは変えない、という注記付き)、科目Bの出題範囲の一部変更(マネジメント分野の強化など)、そして「試験時間及び科目Bの出題形式の変更」を挙げています。
科目A-2の免除制度については、新試験制度でも変更を予定していないとされています。
ここが落とし穴
数字だけ追っていると見落としやすい点を、4つ挙げます。
申込期間と試験期間が重なっている
前期試験の申込受付は2026年10月6日から10月24日まで。ところが科目A-1・A-2の実施期間は10月17日から10月27日です。申込みが締め切られる前に、試験がもう始まっています。
これは、遅く申し込むほど選べる日程が減るということです。しかもCBTは会場の席数が上限になります。人気の会場や土日の枠から埋まるのは、他のCBT試験を見ていれば想像がつきます。「締切ぎりぎりでいいや」は、たぶん通用しません。
科目Bまでのモチベーションが切れやすい
2週間の間隔は、演習期間としては悪くありません。ただし、科目Aの手応えが悪かった場合、その2週間はしんどいと思います。
紙の試験なら、午前で失敗しても午後は受けてしまえました。CBTでは、いったん帰宅して、自己採点して、それから科目Bの日を迎えることになります。ここで折れる人は出るはずです。
科目A-1免除の残り回数が読みにくい
免除の有効期間は、条件を満たした試験から2年間とされています。ただ、2026年4月の試験がなくなったことで、その2年間に何回の受験機会が入るかが、従来と同じではなくなりました。
免除を持っている人は、自分の免除がどの回まで使えるのかを、申込み前にIPAの案内で必ず確認してください。ここは記事の記述より、自分の一部免除申請番号に紐づく案内のほうが確実です。
「出題形式の変更」の中身は、まだ公表されていない
これがいちばん大きな未確定要素です。
IPAは「科目Bの出題形式の変更」とだけ書いていて、変更後が多肢選択式なのか、別の形式なのかを明示していません。出題数12問に対する解答数も、筆者が確認した範囲では公表資料に見当たりませんでした。
記述式が多肢選択式になる、と書いている解説を見かけます。ただ現時点では、IPAの公表資料でそこまで断定できる材料を見つけられませんでした。シラバス案とサンプル問題は2026年度夏頃を目途に順次公表されるとされているので、そこで確定します。
筆者の立場からの考察
ここからは、現役の自治体システムエンジニアとして、また記述式の午後試験を実際に通った者としての見方です。
記述式で拾えた点は、形式が変われば拾えなくなるかもしれない
現行の午後試験は、150分で4問中2問を選ぶ形式です。合格した回を振り返ると、勝負は解き始める前についていた気がします。どの2問を選ぶか。設問を読んで、自分が言葉にできる問題を見抜けるかどうか。ここに最初の10分近くを使いました。
そして記述式には部分点があります。完璧な解答が書けなくても、設問の要求に沿った要素を並べれば、点は拾えます。筆者の場合、これに助けられた自覚があります。
新制度の科目Bは120分で12問。この数字だけ見ると、1問あたりの重さは明らかに軽くなります。選ぶ余地は減り、部分点で粘る戦い方も効きにくくなる可能性が高いと考えています。ただしこれは筆者の推測であり、形式が公表されていない以上、断定はできません。
言えるのは、記述式の対策を積み上げてきた人にとって、その積み上げが最大限に効くのは2026年度までだ、ということです。
その2026年度の記述式を、実際にどう解くのか。時間配分と問題の選び方は、別の記事にまとめています。

現場では、支援士の名前がほとんど出てこない
制度の話を書いておきながら矛盾するようですが、正直に書きます。
筆者が関わっている現場で、日々の運用の会話に「情報処理安全確保支援士」という資格名が出てくる場面は、ほとんどありません。障害対応でも、問い合わせ対応でも、誰が有資格者かという話にはなりません。
つまり、この資格は現場で毎日使う道具ではありません。試験制度がどう変わろうと、明日の業務は変わらないというのが実感です。
ではなぜ取るのか。筆者の場合は、現場の外に出たときに効くものだと考えています。定年後の再雇用、副業としての監査やコンサル、社外の人と初めて話すとき。そういう場面で、自分の立ち位置を1行で説明できる材料になります。この効き方は、試験がCBTになっても変わりません。
人事異動が、学習計画のいちばんの敵になる
自治体の職場は4月異動が基本です。ここに、今回の日程変更が重なりました。
前期試験は10〜11月、後期試験は2〜3月です。どちらも、年度末に向けて業務が重くなる時期と重なります。しかも合格発表は2月と6月。6月発表なら、異動が終わって新しい業務に慣れる前後に結果が来ます。
筆者の周りでも、「今年こそ受ける」と言っていた人が、異動でまったく別の業務になり、そのまま話題に出さなくなる、という光景は珍しくありません。制度が悪いというより、年度で人が動く職場と、年度をまたぐ試験サイクルの相性の問題です。
対策は身も蓋もなくて、異動の可能性がある年は、異動前に決着をつけることだと思っています。
自己判定表
自分がどこに当てはまるかを、先に確認してください。
| あなたの状況 | この記事で見るべき場所 |
|---|---|
| 2026年度に受けるつもりで勉強している | 科目Aと科目Bが別日になった点、申込期間と試験期間の重なり |
| 記述式の対策をすでに積んでいる | 2027年度の科目B変更。積み上げが効くのは2026年度まで |
| 午前Ⅰ免除を持っている | 免除の残り回数。IPAの案内で個別に確認 |
| これから勉強を始める | 後期試験(2027年2〜3月)が現実的な最初の目標 |
| 合格済みで未登録 | 試験制度の変更は影響しない。登録するかどうかは別の判断 |
判定表のいちばん下、「合格済みで未登録」に当てはまった方へ。登録するかどうかは、講習の費用と免除制度で判断が変わります。

判断の分かれ道:2026年度に受けるか、2027年度を待つか
筆者の考えは、2026年度中に取り切るほうを勧めます。理由は3つあります。
1つ目。2026年度は出題範囲も出題形式も変わりません。市販の教材も過去問も、そのまま使えます。
2つ目。2027年度は形式が変わるうえ、シラバスとサンプル問題の公表が2026年度夏頃からと案内されています。教材が出そろうまでには時間がかかります。最初の回は、受験者も出版社も手探りになるはずです。
3つ目。2026年度は前期と後期の2回があります。前期で届かなくても、後期がすぐ来ます。この2回が近い間隔で並ぶのは、今年度の日程のおかげです。
ただし、待つほうが合理的な人もいます。両方を並べます。
| 判断軸 | 2026年度に受ける | 2027年度を待つ |
|---|---|---|
| 出題形式 | 記述式のまま。過去問がそのまま通用する | 科目Bの形式が変わる予定。中身は未公表 |
| 教材 | 既存の対策本・過去問がそろっている | 新形式の教材は当面手薄になる見込み |
| 試験時間 | 科目B 150分 | 科目B 120分(案) |
| 受験機会 | 前期・後期の2回 | 2027年度夏頃〜秋頃に開始予定。回数は未公表 |
| 向いている人 | 記述式の演習を積んできた人、今年度に決着をつけたい人 | 記述式が明確に苦手で、まだ学習を始めていない人 |
| 注意点 | 会場と日程の枠取り。申込みは早めに | 形式が未確定のまま1年待つことになる |
記述式が苦手で、これから学習を始める人にとっては、待つ選択にも理はあります。ただし「待てば楽になる」という保証はどこにもありません。IPAは範囲について、マネジメント分野の強化を挙げています。形式が軽くなっても、問われる幅は広がる可能性があります。
まとめ
- 情報処理安全確保支援士試験は2026年度からCBT方式に移行した。IPAの公表は2025年8月12日
- 2026年4月の試験は実施されず、前期試験は2026年10〜11月、後期試験は2027年2〜3月に移った
- 2026年度は出題範囲・出題形式・出題数・試験時間のいずれも変更なし。受験手数料は7,500円
- 科目名は午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後から、科目A-1/科目A-2/科目Bに変わった
- 科目A群と科目B群は実施期間が分かれ、会場に行く回数が2回になった。申込時に両方を同時予約する
- 2027年度から新試験制度へ再編される予定。支援士試験は存続するが、科目Bは150分4問から120分12問になる案が示されている
- 科目Bの変更後の出題形式は、現時点でIPAから明示されていない。シラバス案とサンプル問題の公表待ち
- 記述式の対策が最大限に効くのは2026年度まで、というのが筆者の見方。ただし推測を含む
引っかかった点
いちばん整理に手間取ったのが、「CBT化」と「2027年度の再編」が別々の発表だという点でした。
CBT化は2025年8月の発表、再編案は2026年3月の発表です。検索して出てくる解説記事は、どちらか一方だけを扱っているものが多く、読んだ順番によって印象がまるで変わります。CBT化だけを読むと「呼び名が変わっただけ」に見えますし、再編案だけを読むと「支援士もなくなるのか」と勘違いしそうになりました。
実際には、2026年度が現行の中身のままCBTになる過渡期で、2027年度に中身が動く、という二段構えです。ここを分けて理解するまで、しばらくかかりました。
もう1つは、科目Bの「12問」という数字です。解答数が書かれていないため、12問すべてを解くのか、選択があるのかが分かりません。ここが決まらないと、対策の立てようがないというのが正直なところです。
参考にした一次資料
- IPA プレス発表「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験がCBT方式での実施に移行予定」(2025年8月12日)
- IPA「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について」
- IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」
- IPA「令和8年度(2026年度)応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定について」
- IPA「情報処理安全確保支援士試験」試験区分ページ
- IPA「科目A-1試験免除 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験」
- IPA プレス発表「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」(2026年3月31日)
- IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」
- IPA「スケジュール、手数料など」
※本記事の内容は2026年8月11日時点でIPAが公表している情報にもとづいています。2027年度の新試験制度は案の段階であり、今後変更される可能性があります。最新の情報は必ずIPAの公式ページでご確認ください。
