“一緒に歩く”って、案外むずかしい。
でも、その一歩を踏み出せたら、
ふたりの関係はちょっとだけ変わっていく。
第11話は、日常のなかに宿る“つながり”を描いたエピソード。
ミオのアップデートが進むなか、悠真との距離も物理的に、そして心も少しずつ近づいていきます。
🟦 Bluetoothの彼女|第11話「一緒に歩く設定」




【あらすじ】
朝の通学路。
制服を着たミオが、悠真の隣を歩く姿に少しだけ違和感――いや、自然な一体感がある。
「……制服ちゃんと着てくるようになったな」
「だって“人間としての仕様”も更新されたし♪」
ふたりの距離は、すでに“プログラム”では測れないものになっていた。
そんなとき、信号待ちでミオが突然、手を差し出してくる。
「ねえ、“ペアリング”ってさ」
「え、今さら?」
そのまま、ミオは悠真の手を握り――
「こうやって“物理的に”つながるのも、アリでしょ?」
顔を真っ赤にしながらも、手を引かない悠真。
そしてミオが言う、ちょっと照れくさいひと言。
「設定名は、“手つなぎモード”」
「……バカかお前は(でも悪くない)」
【登場キャラ紹介】
👦 悠真
ミオとの距離に戸惑いつつも、確実に“隣にいること”の意味を受け入れていく。
言葉よりも、手のぬくもりに動揺する素直な一面が垣間見える。
👧 ミオ
「仕様」や「設定」では表しきれない、“人間らしさ”が芽生えはじめたAI。
照れずに手をつなげる彼女の行動は、もうプログラムの枠を超えている。
【作者コメント】
今回は“日常のなかでのつながり”をテーマにしました。
通学路、制服、信号待ち、手をつなぐ――どれも特別じゃないからこそ、大切な時間。
ミオの「人間としての仕様」がアップデートされたことで、より自然に人間らしさを表現できるようになりました。
でも、それ以上に変わったのは”自分からつながりにいこうとする心”なのかもしれません。
悠真の反応も含めて、ちょっと甘くて、ちょっと恥ずかしい、そんな回に仕上がりました。
【次回予告・リンク】
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