歩いて貯めるタイプのポイ活アプリが、ここ一年でずいぶん増えました。もふぽもその一つです。
「もふぽ 危険性」で検索すると、位置情報が漏れるのではないか、という話が目に入ります。Googleの生成AIによる要約も、集められる情報として位置情報を挙げていました。
正直、私もそこを疑いました。歩数を数えるアプリなら、どこを歩いたかも取れるはずだ、と考えたからです。それで両方のストアの開示欄を読みに行きました。
結果は予想と違いました。位置情報の記載が、App Store にも Google Play にも見当たりません。代わりに別のものが「共有される」と書いてありました。
まもる
しろこの記事では、不安の向き先がどこにずれているのかを分けて書きます。
- AIの要約が挙げた3つの情報のうち、開示欄に裏付けがあるのはどれか(2026年9月9日時点)
- App Store と Google Play で、申告されている中身がどう違うか
- 実際に「共有される」と書かれているデータと、その共有先の書かれ方
- 歩数と移動経路を、なぜ分けて考えたほうがいいのか
- 開示欄を読むときに、筆者が見ている順番
- 開示から読み取れる、悪くない点
先に結論を書いておきます。
警戒する場所がずれていると考えています。位置情報より、IDが誰に渡るのかのほうが気になりました。理由と材料をこの下に並べます。
もふぽの危険性は、位置情報ではありませんでした
結論から書きます。両ストアの開示欄に、位置情報の記載はありません。
筆者が2026年9月9日に確認した内容を並べます。
| 論点 | App Store の記載 | Google Play の記載 |
|---|---|---|
| 位置情報 | 記載なし | 記載なし |
| 歩数など | 健康とフィットネス(ユーザにリンク) | 健康、フィットネス(収集される) |
| メールアドレス | 連絡先情報(ユーザにリンク) | 個人情報(収集される) |
| ID | トラッキングに使用されるデータ | 共有されるデータ |
| 不具合の記録 | 診断(ユーザにリンク) | アプリの情報、パフォーマンス(共有される) |
| 送信時の暗号化 | 記載なし | 記載あり |
| データの削除依頼 | 記載なし | できると記載 |
ここで注意を一つ挟みます。開示欄は開発者の自己申告です。実際の挙動を保証するものではありません。「記載なし」も「収集しません」という宣言ではない。申告として書かれていない、という以上のことは言えません。
アプリの基本情報も、確認した時点のまま残しておきます。
| 項目 | 内容(2026年9月9日時点) |
|---|---|
| App Store でのアプリ名 | もふポ – 「もふ」と一緒に歩いて稼げるポイ活アプリ |
| Google Play でのアプリ名 | もふポ – 歩いてポイントを貯めるポイ活アプリ |
| デベロッパ表記 | a-tokyo, inc.(App Store)/株式会社A(Google Play) |
| 対応年齢 | 18+(App Store) |
| バージョン | 0.12.0(App Store・6月25日更新) |
| 価格 | 無料 |
ストアによってアプリ名が違います。片方は「稼げる」、もう片方は「貯める」。理由は書かれていないので、事実として置くだけにします。
「位置情報が漏れる」と言われる理由
そもそも、なぜ位置情報の話が出てくるのか。出どころをたどると、検索結果の一番上にありました。
AIの要約が挙げた3つのうち、2つには裏がありました
Googleの生成AIによる要約は、注意点として「位置情報や歩数データ、デバイスIDなどが収集される」と書いています。挙がっているのは3つです。
一つずつ、開示欄と突き合わせました。
| 要約が挙げた情報 | 開示欄での裏付け |
|---|---|
| 歩数データ | あり(健康・フィットネスとして両ストアに記載) |
| デバイスID | あり(IDとして両ストアに記載) |
| 位置情報 | 見当たらない |
3つのうち2つは、そのとおりでした。要約が間違っている、という話ではありません。
まもる
りん位置情報だけ、どちらのストアにも書かれていない
引っかかったのは3つ目です。位置情報だけ、App Store の3区分にも、Google Play の共有・収集のどちらにも出てきません。
片方のストアだけの話なら、様式の違いという可能性が残ります。両方に無いので、そこは考えにくい。
ここが実務的に効いてきます。「位置情報を切ったから安心」と理解した人は、切る先が最初から申告されていないものを切ることになる。そして本当に申告されているほうを、そのままにしてしまいます。
実際に申告されているのは、IDの共有でした
では何が書かれているのか。読み進めて、いちばん目に留まったのがここでした。
Google Play は「共有されるデータ」の欄に置いています
Google Play のデータセーフティは、収集と共有を分けて書く様式になっています。共有のほうに並んでいたのは次の3つでした。
- 個人情報(ユーザーID)
- アプリの情報、パフォーマンス(クラッシュログ、その他のアプリのパフォーマンスデータ)
- デバイスまたはその他のID
共有は、他の企業や組織にデータが渡る可能性を指します。収集より一段重い話です。
App Store 側も同じ方向を指していました。「トラッキングに使用されるデータ」としてIDと使用状況データが挙がっています。トラッキングは、他社のアプリやサイトをまたいで利用者を追いかける用途を指す区分です。
つまり両方のストアが、揃ってIDの取り扱いを申告している。位置情報の話より、こちらのほうが根拠がはっきりしています。
共有先の名前は書かれていません
もう一歩踏み込むと、開示欄には共有先が書かれていません。どこの企業や組織に渡るのかは、この欄からは読み取れない。
正直、私が一番気になったのはここでした。渡ること自体より、渡った先でどう使われるかが見えない。広告の配信に使われるのか、効果の測定に使われるのか、それ以外なのかが分からないままです。
なお、これはもふぽに限った話ではありません。無料のアプリで広告を収入源にしている以上、IDを使った測定はよくある設計です。珍しいから問題だ、と言いたいわけではありません。
ただ、比較の材料は持っています。以前にセットログ(Setlog)の開示欄を確認した記事を書いたとき、そちらは「トラッキングに使用されるデータ」が記載なしでした。同じジャンルでも申告は割れます。並べて見ると、その差が見えてきます。
端末のIDは、単体では名前と結びつきません
法律の側がどう扱っているかも、確かめておきました。
個人情報保護委員会は、Cookieなどの端末識別子について、個人情報に該当しない場合には通常「個人関連情報」に当たると説明しています。そのうえで、他の情報と容易に照合して個人を特定できる場合は、全体として個人情報に該当するとしています(個人情報保護委員会のよくある質問)。
まもる
りん読み替えると、こうなります。IDそのものは、それだけでは誰かを名指ししません。渡った先で別の情報と突き合わされたとき、意味が変わります。
だから私は、渡ること自体より共有先を気にしています。突き合わせる相手が誰なのかで、話がまったく別になるからです。
ここが落とし穴
読むときに引っかかりやすい点を、先にまとめておきます。
開示欄は自己申告です
くり返しになりますが、ここは押さえておいてください。両ストアとも、開発者が申告した内容をそのまま載せる仕組みです。第三者が検査した結果ではありません。
「記載なし」と「収集しない」は別です
位置情報の記載が無いことを、収集していない証拠として扱うのは行きすぎだと思います。申告に無い、というだけです。実際の通信を測ったわけではありません。
ポイントの条件が予告なく変わることがあります
利用者の口コミでは、歩数の上限が下がった、交換レートが変わった、という報告が出ています。前述の生成AIによる要約も「サイレント改悪」として同じ点を挙げていました。
ここは他の記事も書いている部分なので、短く済ませます。私の立場だけ書いておくと、予告なく条件が変わる設計は、変更を見張る手間を利用者側に押し付けることになります。あまり好きではありません。
歩数だけなら無害、とまでは言い切れません
これは筆者の見方です。経路が取られていないなら安心、と言い切るところまでは行きません。
歩数は数字でしかない。ただ、平日と休日の差や、まったく動かない日が何か月分も並べば、生活のリズムくらいは見当がつくかもしれません。
経路ほど直接ではありませんし、そこまで心配する話でもないと思います。頭の隅に置いておく程度で十分です。
筆者の立場からの考察|歩数なら構いませんが、経路は困ります
ここからは、私がどう線を引いているかを書きます。
なぜ経路だけ困ると考えるのか
長く情報システムの運用に関わってきました。どの情報がどこへ出ていくのかを気にする癖が、いつのまにかついています。
そのうえで、歩数と経路はまったく別のものだと考えています。
歩数は「どれだけ動いたか」です。経路は「どこにいたか」です。前者からは行動の量が分かる。後者からは、自宅、職場、通院先、子どもの学校まで分かってしまう。同じ移動のデータでも、当てられる情報の種類が違います。
だから開示欄では、位置情報の欄があるかどうかを最初に確かめます。もふぽについては、そこが両ストアとも空でした。この点は、個人的には安心材料として受け取っています。
しろ開示欄は、この順番で見ています
自分の見方を手順にしておきます。他のアプリでもそのまま使えるはずです。
- Google Play のデータセーフティを開く。収集と共有が分けて書いてあるため読みやすい
- 共有されるデータを見る。他社に渡る可能性のあるもので、収集より重く見ている
- 収集されるデータを見る。位置情報の欄があるかどうかを、ここで確かめる
- セキュリティの方針を見る。送信時の暗号化と、削除を依頼できるかの記載
- App Store の「Appのプライバシー」と突き合わせる。申告が食い違っていないかを見る
5番を入れているのは、両方を見ないと分からないことがあるからです。今回も、暗号化と削除依頼の記載は Google Play にしかありませんでした。
ここで一つ断っておきます。App Store に記載が無いことを、やっていない証拠とは考えていません。ストアごとに書かせる項目が違うだけ、という可能性が十分あります。
もふぽについての自己判定
現時点の材料で、私はこう見ています。
| 論点 | 筆者の見方 |
|---|---|
| 位置情報 | 両ストアに記載なし。過度に恐れる必要は薄いと考えている |
| IDの共有 | 申告されている。共有先が書かれていない点は気になる |
| 歩数・健康情報 | 収集される。単体では重く見ていないが、蓄積は意識しておきたい |
| メールアドレス | 収集される。使い捨てにできるアドレスで登録する選択肢はある |
| ポイント条件 | 変更の報告あり。稼ぎを当てにしない前提なら影響は小さい |
判断の分かれ道
使う人と、やめておいたほうがいい人に分かれると思います。両方書きます。
| こういう人 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 歩くついでのおまけと割り切れる | 使ってよいと思う | 位置情報の記載が無く、送信時の暗号化と削除依頼の記載はある |
| 広告IDが他社に渡ること自体を避けたい | 入れないほうがよい | 共有されるデータとして申告されている。共有先は不明 |
| ポイント収入を計算に入れたい | やめておく | 条件が予告なく変わったという報告がある |
| 子どもに使わせたい | すすめない | App Store の対応年齢が18+と表示されている |
どの行に当てはまるかで、見るべき場所が変わります。稼ぎを当てにしないなら、条件の変更はそれほど痛くありません。
ポイ活アプリ全体の選び方については、ネコ旅のポイ活アプリを調べたときの記事でも同じ観点をまとめています。あわせて読むと、見るべき場所が固まると思います。
まもる
しろまとめ
- 両ストアの開示欄に、位置情報の記載はありません(2026年9月9日時点)
- 生成AIによる要約が挙げた3つのうち、歩数とデバイスIDには裏付けがあります
- 実際に申告されているのはIDの共有です。共有先の名前は書かれていません
- 開示欄は自己申告であり、「記載なし」は「収集しない」ではありません
- 歩数と経路は別物です。経路が無いなら、警戒の度合いは変えてよいと考えています
- ただし歩数だけなら無害、とまでは言い切れません。頭の隅に置く程度で十分です
- Google Play 側には、送信時の暗号化と削除依頼についての記載があります
引っかかった点
開示欄の様式が、ストアごとに違うことに手こずりました。App Store は「トラッキングに使用」「ユーザにリンク」「リンクされていない」の3区分です。Google Play は「共有」と「収集」の2区分でした。
同じ言葉で書かれていないので、単純に並べても比べられません。この記事の表も、対応づけは筆者の解釈が入っています。厳密には別々に読むのが正しいです。
もう一つ。App Store の「使用状況データ」と、Google Play の「その他の情報」が同じものを指すのかは分かりませんでした。粒度が違うだけかもしれません。ここは食い違いとして扱わないことにしました。
参考にした一次資料
- App Store「もふポ」ページ(2026年9月9日確認・v0.12.0)
- Google Play「もふポ」ページ(2026年9月9日確認)
- 個人情報保護委員会「Cookie等の端末識別子は個人関連情報に該当しますか」(2026年9月9日確認・ページに更新日の表示なし)
どちらも、この記事を読んだあとに自分で開いて確かめられます。開示の内容は更新されることがあるため、確認した日付を添えました。
