
あっ…ChatGPTに本名や電話番号、入力しちゃったかも…
そんなふうに不安になって、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
ChatGPTはとても便利なAIですが、使い方を間違えると思わぬリスクにつながることも。たとえば、悩み相談の中でうっかり第三者の話を書いてしまったり、匿名で使っていたはずなのに履歴から情報が見られてしまう可能性もあるんです。
この記事では、「ChatGPTに個人情報を入れてしまったときの不安とリスク」から、「実際の情報漏洩の事例」、そして「削除や学習防止の具体的な設定方法」まで、やさしく丁寧にまとめました。
OpenAIの公式情報(プライバシーポリシーや設定ガイド)をもとに、安全に使うヒントもたっぷりご紹介しています。
「何をすれば安心できるか」がはっきりわかるので、どうぞ最後まで読んでみてくださいね。
ChatGPTに個人情報を入れてしまったときの不安とリスク

ChatGPTに入力した本名や電話番号はどう扱われる?

結論からお伝えすると、ChatGPTに入力した本名や電話番号などの個人情報は、原則としてAIの学習には使われない設計になっています。ただし、設定や利用方法によっては例外もあるため注意が必要です。
どうして安心とは言い切れないの?
OpenAIの公式FAQによると、ChatGPT(無料版含む)の入力情報は、初期設定ではAIモデルの改善のために使用される可能性があります(※1)。
しかし、有料版(ChatGPT Plus)やビジネス版などでは、「学習に使わない設定」に変更することが可能です。
つまり、あなたが何気なく入力した内容がOpenAIの運営サイドに保存・分析される可能性がゼロではないのです。
どこまでの情報が対象になるの?
OpenAIのプライバシーポリシー(※2)では、以下のような情報が収集対象とされています:
- ユーザーが入力したテキスト(本名・電話番号・メールアドレスなど含む)
- IPアドレス、端末情報、使用時間などのメタデータ
- サービス改善のためのログデータ
これは、あなたが直接「名前は〇〇、電話は×××」と入力した場合、それがそのまま記録対象となるリスクを意味します。
安全に使うにはどうすれば?
OpenAI公式の設定画面から、次の手順でデータの学習を拒否する設定が可能です:
- ChatGPT右下の「…」→Settingsを開く
- Data Controls内の「Chat history & training」をオフにする
- 必要に応じて「アカウント削除」を申請
公式ヘルプ:https://help.openai.com/en/articles/7730893

本名や電話番号は“つい”入力してしまいがちですが、企業側が『学習に使わない』と明言していても、“記録されない”とは限りません。特に業務用途では入力内容を極力抽象化するように意識してくださいね
(※1)OpenAI公式FAQ|https://help.openai.com/en/articles/6783459
(※2)OpenAI Privacy Policy|https://openai.com/policies/privacy-policy
履歴や入力内容は他人に見られることがある?

基本的に、ChatGPTに入力した内容は他人から直接見られることはありません。ですが、共有設定や業務利用の環境によっては、意図せず他者に閲覧されるケースがあります。
どんなときに見られてしまうの?
例えば、次のようなケースには注意が必要です:
- 会社のアカウントで使っていた履歴が、管理者に見られる
- 他人とPCを共用している状態でログインが残っていた
- チャット履歴をコピーして社内で共有された
こういった状況は、技術的な情報漏洩ではなく、設定や取り扱いの不注意によって生まれます。
ChatGPT内の履歴はどこに残るの?
無料ユーザーでも、ChatGPTの左メニューには過去の会話履歴(Chat history)が自動で保存されています。
また、2023年4月以降のアップデートで、「Chat history & training」をオフにしても、一時的な履歴はセッション中保存される仕様です(OpenAI公式、※3)。
対策方法まとめ
履歴閲覧リスクを減らすには、次の3点が重要です。
対策 | 内容 |
---|---|
設定変更 | 「Chat history & training」をオフにする |
利用端末の管理 | 共有PC・スマホでは必ずログアウトする |
業務利用制限 | 個人情報を含む内容はそもそも入力しない |

ChatGPTを“誰かに見られているかも”という前提で使うと、安全度がグッと上がります。特に企業利用では“入力前の判断”が鍵です
(※3)OpenAI公式設定ガイド:https://help.openai.com/en/articles/7730893
ChatGPTで実際に起きた情報漏洩の事例

「AIって安全なんでしょ?」と思ってしまいがちですが、実際には情報漏洩の報告も出ています。中でも有名なのは、2023年3月のChatGPTバグによるユーザーデータ流出事件です。
どんな内容が漏れたの?
2023年3月、ChatGPTの一部ユーザーが他人のチャット履歴やクレジットカード情報の一部を閲覧できてしまうバグが発生しました。
この問題はOpenAI自身が認めており、以下のようなデータが一部流出しています。
- 他ユーザーのチャットタイトル
- クレジットカードの下4桁、名前、住所
- 購入履歴やメールアドレス
出典:https://openai.com/blog/march-20-chatgpt-outage
他にもある?実例を紹介
サムスン電子は2023年3月に社内でChatGPTの利用を許可したところ、半導体部門のエンジニアが業務上のソースコードや会議内容などの機密情報をChatGPTに入力し、少なくとも3件の情報漏洩インシデントが発生しました。これを受けてサムスンは、2023年5月にChatGPTなどのAIチャットボットの社内利用を禁止する措置を取りました。
このように、「AIが漏らす」のではなく、“人がうっかり入力することで漏れる”という事例が目立ちます。

AI利用で一番多いのは“技術的ミス”ではなく“操作ミス”。実際の事例を知っておくことで、正しく使えるようになりますよ
うっかり悩み相談も危険?第三者の話を書いたリスク

あなたが悩み相談で書いた内容、実は“自分以外の誰かの個人情報”が含まれていませんか?
たとえ善意でも、第三者の名前や職場、体験談を具体的に書くと、思わぬ情報漏洩に繋がる可能性があるんです。
なぜ第三者の情報が危ないの?
日本の個人情報保護法では、「氏名」「勤務先」「健康情報」など、特定の個人を識別できる情報はすべて保護対象です。
自分の情報であっても、それが「〇〇さんが職場で…」のように誰かを特定できる形になっていれば、それも広義の個人情報になります。
ChatGPTでよくある落とし穴
- 上司の名前や性格をそのまま入力
- 家族構成や病歴を詳細に入力
- 友人のエピソードを“そのまま”AIに相談
一度入力すると、その会話が社内やサーバー上に残る可能性もあります。
どんな対策ができるの?
- 人名はイニシャル化(例:Yさん)
- エピソードは一般化(例:「同僚」「家族」など)
- 相談内容を抽象化(例:「職場の人間関係」程度)

“自分のことだから大丈夫”と思っていると、他人の個人情報まで含めてしまうことがあります。相談の仕方にも工夫を
匿名で使っていてもバレる可能性はある?

「名前も登録してないし、大丈夫でしょ?」と思って使っている方も多いですが、完全に匿名とは言えない仕組みがChatGPTにはあります。
何が“バレる”可能性になるの?
実はChatGPTは、以下のような"間接的に個人を特定できる情報”を収集しています(※4)。
- IPアドレス(通信元)
- 使用端末情報(スマホ機種、ブラウザ)
- 利用時間・頻度・位置情報(一部)
つまり、ログイン時の挙動から「どの端末で誰が使っているか」まで分かる仕組みになっています。
なぜ匿名ではないの?
OpenAIのプライバシーポリシーにも「収集された情報をもとに個人の行動を特定する可能性がある」と明記されています。
また、ログイン不要の一部AIサービスとは異なり、ChatGPTはアカウント制である以上、完全な匿名性は保証されません。
対策はできる?
できる限り匿名性を高めたい場合は以下のような工夫が有効です。
- 公共Wi-Fiや共用端末での利用は避ける
- 本名や個人情報を入力しない
- VPNなどでIPをマスクする
ただし、VPN利用時でも完全匿名になるわけではありません。

“匿名で使ってるから安全”という思い込みが一番のリスクです。プライバシーを守るには、自分で防衛ラインを引くことが大事ですよ
(※4)OpenAIプライバシーポリシー:https://openai.com/policies/privacy-policy
ChatGPTに個人情報を入れてしまった後の正しい対処法

入力してしまった情報は削除できる?履歴消去の方法

ChatGPTに入力した情報は、設定によって削除することが可能です。ただし、削除方法やその効果には注意点があります。
削除手順
パソコンの場合:
- ChatGPTにログインし、画面左下のアカウント名をクリック。
- 「Settings」を選択。
- 「Data Controls」をクリック。
- 「Clear chat history」を選択し、確認画面で「Confirm」をクリック。
スマートフォンの場合:
- ChatGPTアプリを開き、左上のメニューアイコンをタップ。
- 「Settings」を選択。
- 「Data Controls」をタップ。
- 「Clear chat history」を選択し、確認画面で「Confirm」をタップ。
これにより、チャット履歴が削除されます。
注意点
- 削除した履歴は復元できません。
- OpenAIは、サービスの品質向上や不正利用の防止のため、チャットデータを最大30日間保持する場合があります。
- 履歴を削除しても、OpenAIのサーバー上に一定期間データが残る可能性があります。
詳細は、OpenAIの公式ヘルプをご参照ください。
https://help.openai.com/en/articles/7730893:contentReference[oaicite:50]{index=50}
勝手に学習されないための設定方法

ChatGPTに入力した情報がAIの学習に使用されないようにするには、設定を変更する必要があります。
設定手順
パソコンの場合:
- ChatGPTにログインし、画面左下のアカウント名をクリック。
- 「Settings」を選択。
- 「Data Controls」をクリック。
- 「Chat history & training」のスイッチをオフにする。
スマートフォンの場合:
- ChatGPTアプリを開き、左上のメニューアイコンをタップ。
- 「Settings」を選択。
- 「Data Controls」をタップ。
- 「Chat history & training」のスイッチをオフにする。
この設定により、今後のチャット内容がAIの学習に使用されなくなります。
注意点
- この設定を行うと、チャット履歴も保存されなくなります。
- 過去に入力したデータは、既に学習に使用されている可能性があります。
- 完全にデータを削除したい場合は、OpenAIに直接リクエストを送る必要があります。
詳細は、OpenAIの公式ヘルプをご参照ください。
https://help.openai.com/en/articles/7730893:contentReference[oaicite:98]{index=98}
ChatGPTでやってはいけない使い方とは?

ChatGPTを安全に利用するためには、以下のような使い方を避ける必要があります。
禁止されている使い方
- 個人情報や機密情報の入力。
- 違法行為や暴力的な内容の生成。
- 差別的な発言やヘイトスピーチの生成。
- スパムや詐欺行為の助長。
これらの行為は、OpenAIの利用規約に違反する可能性があります。
注意点
- 生成された内容が正確であるとは限りません。
- ChatGPTは、2021年9月までの情報を基に学習しており、それ以降の情報は含まれていません。
- 医療や法律などの専門的なアドバイスを求める際は、専門家に相談することをおすすめします。
詳細は、OpenAIの利用規約をご参照ください。
https://openai.com/ja-JP/policies/row-terms-of-use/
登録情報はどこまで使われる?見落としがちな盲点

ChatGPTに登録した情報は、サービスの提供や改善のために使用されます。
使用される情報
- アカウント情報(メールアドレス、氏名など)。
- チャット履歴や入力データ。
- 利用状況やフィードバック。
これらの情報は、OpenAIのプライバシーポリシーに基づいて取り扱われます。
見落としがちな点
- チャット履歴は、AIの学習に使用される可能性があります。
- 入力した情報が、他のユーザーへの回答に影響を与えることがあります。
- アカウント情報が第三者に共有されることはありませんが、法的要請があった場合は開示される可能性があります。
詳細は、OpenAIのプライバシーポリシーをご参照ください。
https://openai.com/ja-JP/policies/row-privacy-policy/
知恵袋や他サービスと併用したときの注意点

ChatGPTと他のサービスを併用する際には、以下の点に注意が必要です。
注意点
- 同じ内容を複数のサービスに投稿すると、情報が拡散しやすくなります。
- 個人情報や機密情報が漏洩するリスクが高まります。
- 異なるサービス間で情報が矛盾する可能性があります。
対策
- 投稿内容を慎重に確認し、必要最小限の情報に留める。
- 個人を特定できる情報は入力しない。
- サービスごとのプライバシーポリシーを確認する。
これらの対策を講じることで、情報漏洩のリスクを軽減できます。
総括:ChatGPTに個人情報を入力してしまったときの対処まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。