新しいアプリを入れるたびに『追跡を許可しますか?』って聞かれるのが怖くて…。とりあえず全部『拒否』にしてるけど、これって本当に正解なの?
iPhoneの画面に突然現れる、あの警告メッセージ。「追跡」なんて言葉を見ると、監視されてる気がして思わず身構えちゃいますよね。
よく分からないからとりあえず「拒否」を押している人も多いですが、「許可」と「拒否」、どっちを選んでも取り返しがつかなくなるわけじゃありません。
ただ、意味を知らないまま選んでいると、本来もらえたはずの特典を逃したり、逆に渡さなくてもいいデータを渡してしまったりすることも。
この記事では、「トラッキング要求」って結局何なのか、どう判断すればいいのかを分かりやすく説明します。
読み終わる頃には、あのポップアップが出ても迷わず、自分に合った選択ができるようになっているはずです。

アプリからのトラッキング要求を許可とは?判断基準

謎の表示はなぜ出る?追跡の仕組みを簡単解説
このポップアップが表示される理由は、実はとてもシンプルです。
アプリの開発者があなたに対して、「あなたにぴったりの便利な広告を表示したいので、好みのデータを分析させてもらえませんか?」と、礼儀正しく許可を求めているからなんです。
これを専門的な言葉で解説すると、「IDFA(Identifier for Advertisers)」という仕組みが関係しています。
これは、スマホ一台ごとに割り振られた「広告専用のデジタル名札」のようなものだとイメージしてください。
例えば、あなたがショッピングサイトで「最新のスニーカー」を検索したとします。その数分後、全く関係ないニュースアプリを開いたのに、さっき見ていたスニーカーの広告が表示された経験はありませんか?
これは「偶然」ではありません。アプリやサイト同士があなたの「デジタル名札」を読み取り、「おっ、この人は今スニーカーに興味があるんだな」という情報を裏で共有しているから起こる現象なのです。
なるほど!私の好みがバレていたわけじゃなくて、私が持っている『名札』をいろんなお店が見ていたってことなんですね。
以前のiPhoneでは、この名札の読み取りは「最初から許可」されているのが当たり前でした。しかし、AppleはiOS 14.5からこのルールを大転換しました。
「自分の情報を誰に渡すかは、ユーザー自身が決めるべきだ」という考えのもと、勝手に情報を覗き見されるのを防ぐための「鍵」を、私たちユーザーに渡してくれたのです。
出典:ユーザーのプライバシーとデータの使用 - Apple Developer
「許可・拒否」どっち?知恵袋の結論と推奨
「仕組みは分かったけど、結局どっちを選べば損しないの?」
ここが一番の悩みどころですよね。Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも、この議論は尽きません。
プロとしての結論をお伝えします。
基本的には「Appにトラッキングしないように要求(拒否)」を選んで全く問題ありません。
現代のデジタル社会において、自分の行動履歴は立派な資産です。むやみにばら撒く必要はありません。
プライバシーを最優先したいなら、迷わず「拒否」を選んでください。
▼「許可」と「拒否」の比較
- 許可(Allow):興味のある広告が表示されやすくなる。一部のポイントサイト等で必須。
- 拒否(Ask App Not to Track):行動履歴が共有されない。興味のない広告が増える可能性があるが、プライバシーは守られる。
ただし、「許可しないと損をする」例外的なケースが2つだけあります。ここだけは注意してください。
1. 「ポイ活」をしている場合
これが最も重要です。ポイントサイト(モッピーやハピタスなど)を経由してアプリをダウンロードし、ポイントを獲得しようとしている場合です。
この時、トラッキングを「許可」にしておかないと、サイト側は「あなたが本当にそのアプリを利用したか」を確認できません。
結果として、頑張って条件をクリアしたのにポイントが反映されないという悲劇が起きてしまいます。
ポイ活案件でアプリを利用する際は、必ず「トラッキングを許可」に設定してください。拒否すると成果対象外になり、ポイントがもらえなくなります。
💡 トラッキングを「許可」にするなら、入れないと損です
もし設定を「許可」にするなら、ついでに「移動するだけでポイントが貯まるアプリ」を入れておきましょう。
どうせ位置情報やデータを許可するなら、それをタダで渡すのではなく、自分のお小遣いに変えてしまうのが一番賢い「逆転の発想」です。
移動するだけでポイントが貯まる「トリマ」
- 通勤・通学の移動がお金になる
- テレビでも紹介された人気アプリ
- 招待コード入力で5000マイルもらえる
招待コード:MVND_wqyX
※コピーして登録時に入力してください
2. 応援したい無料アプリがある場合
多くの無料アプリは、広告収入で運営されています。
実は、トラッキングを許可したユーザーに表示される広告(ターゲティング広告)は、そうでない広告よりも「広告単価が高い」傾向にあります。
もしあなたに「このゲームの開発者を応援したい!」「長く続いてほしい」と思う推しアプリがあるなら、許可することは「課金せずにできる支援」になります。
拒否するとアプリが使えない?よくある誤解
「トラッキングを拒否したら、アプリの機能が制限されて使えなくなるんじゃないの?」
このように心配して、本当は嫌なのに恐る恐る許可ボタンを押している方が意外と多いのですが、これは大きな誤解です。
はっきり申し上げます。
トラッキングを拒否しても、アプリ本来の機能(ゲーム、SNS、便利ツールなど)は今まで通り100%使えます。
Appleのガイドラインでは、ユーザーがトラッキングを拒否したことを理由に、アプリ側が機能を制限したり、使用を禁止したりすることを固く禁じています。
ですから、「拒否したらペナルティがあるかも…」という「損失回避」の心理に惑わされないでください。
変わることと言えば、「自分に関心のある広告」が出にくくなり、「全く興味のないランダムな広告」が表示されるようになることくらいです。
広告自体が画面から消えるわけではないので、そこだけは注意してくださいね。
追跡はウイルスと違う!本当のリスクを理解
「追跡」という言葉の響きから、ウイルス感染やフィッシング詐欺のような危険なものを連想してしまう方もいます。
「許可したら、クレジットカード番号やパスワードが盗まれるのでは?」という不安の声もよく聞きますが、そこまでの危険性はありません。
ここで言うトラッキングデータは、あくまで以下のようなマーケティング用のデータです。
- どのウェブサイトを見たか
- どんなアプリを使っているか
- どの広告をクリックしたか
あなたの名前、住所、電話番号、クレジットカード情報といった、個人を特定できる重要な情報が勝手に抜かれるわけではありません。
ウイルスバスターなどのセキュリティソフトが警告する「不正サイト」や「スパイウェア」とは、全くの別物です。
よかった!てっきりスマホの中身が全部見られちゃうのかと思ってました。あくまで『広告用』なんですね。
とはいえ、「誰かに自分の行動をじろじろ見られている」という感覚自体が気持ち悪いと感じるなら、やはり「拒否」しておくのが精神衛生上も安心です。
デジタルデータは一度流出すると完全に消すことが難しいため、「必要のないデータは渡さない」のがセキュリティの基本です。
どんな情報を渡すと危険になるのか、具体例を知っておくと安心できます。
出典:個人情報保護委員会 - インターネット上の広告とプライバシー
アプリ外も防御!Safariの追跡防止も必須
実は、あなたを追跡しようとしているのはアプリの中だけではありません。
iPhone標準のブラウザ「Safari」でネットサーフィンをしている時も、さまざまな企業や広告会社があなたの閲覧履歴を追跡しようとしています。
ここで役立つのが、Safariに標準搭載されている「サイト越えトラッキングを防ぐ(ITP)」という強力な機能です。
これがオンになっていると、ブラウザに搭載されたAI(機械学習)が自動的にトラッカー(追跡者)を特定し、ブロックしてくれます。
確認方法はとても簡単です。今すぐチェックしてみましょう。
- iPhoneの「設定」アプリを開く。
- 「Safari」をタップする。
- 「プライバシーとセキュリティ」の項目にある「サイト越えトラッキングを防ぐ」を見る。
ここがオン(緑色)になっていればOKです。これでアプリの外でも、あなたの行動履歴は守られます。
ただし、Safari以外にも注意すべき通信があります。気になる方はこちらをご確認ください。
出典:Safari のプライバシー保護機能 - Apple サポート
⚠️ ただし、これだけでは防げないリスクがあります
「トラッキング拒否」や「Safariの設定」で防げるのは、あくまで広告による追跡だけです。
もしあなたが、カフェや駅、ホテルなどの「フリーWi-Fi」を使うことがあるなら、注意してください。実は、その通信内容は暗号化されておらず、悪意のある第三者からは「丸見え」の状態かもしれません。
本当の意味でスマホの中身(クレカ情報やパスワード)を守りたいなら、通信自体を軍事レベルで暗号化する「VPN」の導入を検討すべきです。
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アプリからのトラッキング要求を許可できない時の対処

なぜ「許可」を押せない?グレーアウトの原因
設定の「Appからのトラッキング要求を許可」スイッチが押せない場合、原因は主に以下の3つのどれかです。
ご自身の状況に当てはまるものがないか、確認してみてください。
- 年齢制限:これが最も多い原因です(詳細は次の項目で解説します)。
- スクリーンタイム設定:自分で制限をかけてしまっているケースです。「設定」>「スクリーンタイム」>「コンテンツとプライバシーの制限」>「トラッキング」が「許可しない」になっていないか確認しましょう。
- プロファイルの影響:学校や会社から支給されたiPhoneや、一部の格安SIMを利用するために「構成プロファイル」をインストールしている場合、管理者によって設定がロックされていることがあります。
18歳が境界線?年齢制限とApple IDの仕様
Appleは、未成年のプライバシーを強力に保護するため、18歳未満のユーザーに対してはトラッキング機能を自動的に制限する仕様になっています。
具体的には、Apple IDの登録年齢が18歳未満の場合、「トラッキング要求」のポップアップ自体が表示されず、設定も自動的に「オフ(拒否)」の状態に固定されます。
これは、判断能力が未熟な子どもたちが、無意識に自分の情報を企業に渡してしまうのを防ぐための、Appleの配慮と言えます。
出典:App からのトラッキング要求を許可 - Apple サポート
ここで注意が必要なのが、「18歳の誕生日を迎えたのにできない!」というケースです。
Appleのシステム上、年齢判定は単純な誕生日ではなく、「生まれ年」で計算されることがあります。そのため、誕生日が来ても、その年のうちは制限が解除されないことがあるんです。
また、Apple IDを作成してから3日以内の場合も、セキュリティチェックのため一時的に設定できないことがあります。この場合は、焦らず数日待ってから再度試してみてください。
Androidも対象?OSごとの追跡事情を比較
「私はAndroidを使っているけど、この記事の内容は関係あるの?」
そう疑問に思った方もいるかもしれません。実は、Androidにも似たような仕組みが存在します。
Android 12以降では、プライバシー設定から「広告IDを削除」することで、トラッキングを完全に拒否できるようになりました。
これを行うと、あなたのスマホから「広告用の名札」自体が消滅します。アプリ側はあなたを識別できなくなり、結果として追跡が不可能になるのです。
▼Androidでの設定手順(機種により異なります)
- 「設定」アプリを開く
- 「プライバシー」>「広告」へ進む
- 「広告IDを削除」を選択する
iPhoneの「トラッキング要求」とは少し見え方が違いますが、「追跡されたくない」「情報を守りたい」という目的は同じように達成できます。
Androidユーザーの方も、ぜひ一度ご自身のプライバシー設定を見直してみてくださいね。
間違えても安心!後から拒否設定に戻す手順
「最初はよく分からなくて許可しちゃったけど、やっぱり拒否したい!」
「ポイ活が終わったから、設定を元に戻したい」
そんな時も大丈夫です。iPhoneならいつでも、何度でも、簡単に設定を変更できます。
一度許可してしまったからといって、永遠に追跡され続けるわけではありません。以下の手順で、今の気持ちに合わせた設定に書き換えましょう。
- iPhoneの「設定」アプリを開きます。
- 少し下にスクロールして、「プライバシーとセキュリティ」をタップします(青い手のアイコンです)。
- 一番上の「トラッキング」を選びます。
- アプリごとのリストが表示されます。
ここで、アプリごとのスイッチをオフ(灰色)にすれば個別に拒否できます。
また、一番上にある「Appからのトラッキング要求を許可」というスイッチをオフにすれば、全てのアプリを一括で拒否することも可能です。
「一括オフ」にすると、今後新しいアプリを入れた時も、いちいち聞かれることなく自動的に「拒否」が選択されるので、とても楽ちんですよ。
安全に使うために!賢い付き合い方のまとめ
ここまで、トラッキングの仕組みや設定方法、そしてその裏にあるリスクについて詳しくお話ししてきました。
長くなってしまいましたが、最後に大切なポイントを整理しましょう。
最も重要なのは、「なんとなく怖い」という漠然とした不安から、「仕組みを理解して自分で選ぶ」という自信に変えることです。
▼「トラッキング要求」との賢い付き合い方 3ヶ条
- 基本は「拒否」:プライバシーを守るために、基本設定はオフでOK。
- 例外は「許可」:ポイ活や開発者応援など、明確な目的がある時だけオンにする。
- 困ったら「確認」:設定できない時は、年齢制限やスクリーンタイムを疑う。
この3つさえ覚えておけば、もうあのポップアップが表示されても戸惑うことはありません。
デジタル社会は便利ですが、見えないところでデータがやり取りされる怖さもあります。だからこそ、「自分自身の情報は自分でコントロールする」という意識を持つことが、あなたを守る最大の盾になります。
今日得た知識を使って、ぜひあなたにとって一番快適で安心できるスマホの設定を見つけてくださいね!
追伸:どうせデータを渡すなら「お金」に変えませんか?
記事内でもお伝えしましたが、「勝手に追跡される」のは嫌ですが、「納得した上でデータを提供して、対価をもらう」なら話は別ですよね。
最後に、プライバシーを守りながら、安全にお小遣い稼ぎができるおすすめアプリを2つ紹介して終わります。
① 捨てていたレシートがお金になる「ショップリー」
普段のお買い物のレシートを撮影するだけで現金が戻ってくるアプリです。あなたの「購買データ」を企業に提供する対価として報酬がもらえます。
② スキマ時間で確実に稼ぐなら「マクロミル」
「位置情報とかはやっぱり怖い」という方は、東証プライム上場企業のアンケートモニターが一番安心です。簡単なアンケートに答えるだけで、お小遣いが貯まります。
まとめ:アプリからのトラッキング要求を許可するか迷った時の重要ポイント
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、今日お話しした内容を「一目でわかる3つのポイント」にまとめました。

具体的なポイントは以下の通りです。
仕組みさえ正しく理解してしまえば、もうあのポップアップに不安を感じることはありません。
これからは自信を持って、あなた自身の考え方に合った設定を選んでくださいね。あなたのスマホライフが、より安心で快適なものになりますように!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

